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2009年7月 1日 (水)

「フランス船内局印とフランス切手のパクボー印」その(4)

ジョージさん、今日はこのシリーズの最後のテーマ (4) フランス切手上に見られる外国印・所謂「パクボー印」 について話を進めたいと思います。 先ずお題にある*所謂「パクボー印」なる言葉ですが、これについて述べている下記の記事を引用します。・・・・

「日本郵便印ハンドブック2008」(日本郵趣協会発行)

346頁 4-3船関連郵便印 より抜粋

* { 船内において投函された郵便物の扱いについては、1892年(明治25)のUPUウィーン条約に定められている。 以下、佐々木義郎「PAQUEBOT<船内投入郵便>」『フィラテリスト』14巻121ページ(1982年)を参考に解説する。 船内において投函された郵便物は、公海を航行中はその船が属する国の郵便切手を貼り、寄港地の領海内や碇泊中には、その寄港地の国の郵便切手を使用することが定められている。 このようにして投函された郵便物に船内郵便局で使用したのが船内郵便局印、陸揚地の郵便局で使用したのが船内投函郵便印である。 なお、船内郵便局は寄港地の領海に入ると閉局されるので、寄港地領海内航行中および寄航中に投函された郵便物には、船内投函郵便印が使用された(青木四海雄「船内局と船舶局」『フィラテリスト』第1巻73ページ(1969年))。 船内投函郵便印には、UPUの公用語であるフランス語で郵便船を意味する「PAQUEBOT」が表示されている。 } *

ここでは PAQUEBOT郵便船を意味すると述べていますが、この語の本来の意味は「客船」、「商船」といった大型の大洋を航行する船の意で、他にBATEAU(小型船) NAVIRE(軍艦などの場合に使われる)の語もあります。 1850年代頃は植民地や諸外国との交易に従事した大型の船も郵便物の搬送が大きな比重を占めていたため、狭義の意でPAQUEBOT郵便船と解釈されたのではないかと私は思っています。 フランスの船内郵便局の抹消印、例えば LIGNE N  PAQ.FR. No.10 等の意はN航路 フランス船10番(郵便船ではない)に設置の郵便局(船名では長くなるので番号で表示)と解釈すべきと思っています。 このUPUの規約が浸透してからは船内投函郵便(そのほとんどが郵便箱の設置のみで船内局を持たない船舶から陸揚げされた郵便物にはPAQUEBOT」の特別印が押され陸揚げ地の引き受け局で抹消されるのが通常となりました。 しかし前々回に取り上げた日本切手に見られる1880年代前後―>1900年代初頭にかけてのフランス船内局印はこれとは全く逆の話で、当時日本に在留したフランス人の便宜のため、あえて船内局に(寄港中にもかかわらず)郵便物の投函ができるようにしたと云う事実が幾つかの文献に述べられています。

さて、話が若干それてしまいましたが、1880年代前後―>1900年代初頭にかけてフランス切手上(特にサージュ切手)に見られる外国の消印は英国のものがほとんどですがその数はとても少ないです。 仏、英国間には1800年代後半に交わされた郵便条約があり、その中の一つに仏英間の小型船航路に設けられたBOITES MOBILE (Mobile Boxes)=船内の移動郵便箱に出港前及び航海中に投函された郵便物を到着港の局で抹消するのに特別の(八角形や円形で中央にM.B.の記号 [MOVEBAL BOXの略] がある) 採用されることになりましたが、LONDON、SOUTHAMPTON、JERSEY などでそれが見られます。(印影を下図に示します)

              Paqbo1

下記地図は英仏海峡を挟んで関係する港町や市の場所がわかるよう参考に載せました。

           Paqbo2

これ等のあとに採用された、変化した印を私蔵の実例でいくつか紹介します。

                   Paqbo3

                     Paqbo4

                         Paqbo5

                     Paqbo6

                       Paqbo7

最後に貴重なサージュ切手に、希少なLIVERPOOLの消印のあるパクボー扱いの使用例を紹介します。 この切手は忘れもしない、唯一私が切手商の張り込み帳から掘出した逸品です(当時で200円位)。今から20年以上も前の話ですが。

                                Paqbo8

これで、このシリーズのお題は全て終了しますが、後はなにをテーマに取り上げてよいか、少々種切れの感は否めません。 悩みの種です。・・・・・

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コメント

パクボー印の解説は圧巻でした。どの解説書よりも詳しく分かりやすい内容です。パクボーはフランス語が語源だと何かの文献で読んだ覚えがあります。フランスの消印に慣れてくるとフランス切手に押された外国の消印がとても新鮮に見えてくるものですね。それにしてもリバプール印を張込帳から抜いたときはどんな気分だったのでしょう。自分もイーベイでサージュの消印をウォッチしていますが胸のときめく消印にはまだ出会えていません。私の目が節穴なのか、ヒロジージさんの切手が立派すぎるのか、どっちかだろうと思います。

投稿: ジョージ | 2009年7月 1日 (水) 20時18分

ジョージさん、コメント有難うございます。記事への暖かい評価嬉しく思います。ブログを維持する事は年老いた者には結構きつい作業です。でもジョージさんの熱心な関心が良い援けとなっています。・・・リバプール印の切手を見つけた時、さりげなく店主に渡したあの一瞬をまだ鮮明に記憶しています。在りし日の懐かしい思い出の一こまです。・・・

投稿: ヒロジージ | 2009年7月 1日 (水) 20時53分

ヒロジージ様
素晴しい解説記事を本当に有難うございます。お蔭さまで知りたかった事の詳細を漸く理解する事が出来ました。心より感謝とお礼を申し上げます。

投稿: matana | 2009年7月 2日 (木) 14時22分

matana様
毎度のご訪問感謝しております。この度はまた望外なお褒めのコメント有難うございます。お役にたててまことに光栄です。今後も宜しくお願いします。

投稿: ヒロジージ | 2009年7月 2日 (木) 15時11分

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